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対象を取る「カードを引く」についての異論-カードを引く呪文は対象を取るべきかどうか


たまには芝居や音楽以外の話題も。
Webについては、書きたいと思う事が今の所無いのでそれはまたの機会に。

今回は僕大好きなカードゲーム「Magic The Gahering」の開発部に所属するMark Rosewater氏の翻訳記事に異論してみる。
(参考記事を読んでいるものとして進めます)
参考翻訳記事:【異論弁論:対象を取る「カードを引く」こと-カードを引く呪文は対象を取るべきかどうか?】 
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/003139/


まず、彼が第一に示した「#1 これはマジック語だ(つまり、日常語ではない)」について。

もちろんその通りである。
ただし、厳密に言えば専門用語ではあるがマジック語ではない。
彼が「対象」という言葉をマジックにおいて重要なキーワードとしている事に関しては私も異論は無い。
しかし、私が問題にしているのはそこではない。
では、何が違うのか。

彼が「#2 選択が必要である」~「#3 選択を理解する必要がある」で自ら示したように、初心者上級者を問わず
プレイヤーはカードの類似点・相違点、つまりはカードに書かれている事を理解しなくてはならないからだ。

Mark Rosewater氏が文中で下記のように例を挙げている。

マジック基本セット2012は初心者導入向けにデザインされているが、「対象」という語が使われているカードは96枚あり、そのうちで43枚はコモンである。

これは、言い換えればこのカードが無かったとしても96枚のカードには「対象」という言葉が出ていると言う事だ。

その上で、問いについて考えてみる。
「カードを引く呪文は対象を取るべきかどうか?」
当然、現行のマジックではプレイヤーを対象にするものと、そうでないものが存在する。
それが何故、対象を取るのか。何故対象を取らないのか。
それを考える楽しみを、開発部はプレイヤーに与えてくれているのではないだろうか。

マジックを長年楽しんでいるプレイヤーにとっては愚問かもしれないが
対象を取る以上、対戦相手を指定してカードを引かせる事も出来る。
初心者にとってカードを引く事は私益的行為と考えて問題ないだろう。
しかし、対戦相手に大量のカードを引かせる事の方が有利に働くこともある。(大量の枚数を引かせる事によりライブラリーアウト等)

こう述べると、対象を取るほうが良いように感じてしまうかもしれないがそうではない。
「あなたはカードを2枚引く。」には対象が無いのだ。
つまり、このカードであなたはゲームを有利に進める事は出来ても直接勝利を収める事は基本的には出来ない。

しかしながら、対象を変えるなどの要素で邪魔されることはないのだ。
すべてに対象があった場合、プレイヤーは対象の有無の意味について疑問を持たなくなってしまうであろう。
また、もっと踏み込んでしまえば、カードバランスも僅かではあるが変わる。
対象を取るから強力な場合も、取らないから強力な場合もあるわけである。


この点から考えても、この似て非なる2種のカードにははっきりとした意味があり
些細なように思われるかもしれないが、どちらもマジックのゲーム性を高める重要な記述である。

彼は対象を取る「カードを引く」呪文のみにする事で、対象を理解させ考えさせようとしているが、私は取らないものもあるなかで、対象の持つ意味を理解させたいと思うし、それ自体カードの違いとしてプレイヤーに選択してもらいたいとも思う。
対象を取る取らないはカードパワーを左右するという事が、プレイヤーにとっての初めての“気付き”かもしれないし、その積み重ねがMagic The Gaheringがトレーディングカードゲームとして長年によって愛されている理由と考えているからだ。



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余談
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Mark Rosewater氏はこういった様々な議論を呼ぶ事を目的として記事にしてくれたと思うのだが、私は対象を取る呪文と取らない呪文を同一線上で議論すべき問題とは思っていない。
それは、私の記憶が正しければ「あなたを対象にする。」という記述はマジックの歴史に無い筈だからだ。
これは、「対象のプレイヤーは~」と「あなたは~」に対する存在矛盾である。
「対戦相手でないプレイヤーを対象とする。」であれば成立するのかもしれないが、多人数のことを考えるとやはりおかしい。
「この呪文をプレイしたプレイヤーを対象とする。」もう回りくどすぎる。
対象を取る呪文、取らない呪文はまったく異なるもので「カードを引く」事のみによっての議論は少々強引な気がする。

※いろいろ間違ってたらごめんなさい。


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